「やっぱりいいなぁ」珪藻土編4

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの珪藻土の壁天井その他珪藻土のいい所は、夜に照明をつけた時ですね。

鏝で塗っているおかげで、多少の凹凸があります。

照明をつけると、その手作業で生まれた微妙な凹凸が浮き上がり、それが有機的な感じを醸し出します。

工業製品に囲まれた無機質な空間ではなく、有機質な空間。

これが落ち着いた雰囲気が生まれる要因なのではないかと思っています。

 

 

 

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの珪藻土壁喘息やアトピーで苦しまないと出会わなかった材料。

「やっぱりいいなぁ」というテーマで思い出す材料としては、珪藻土を一番に思い出します。

次回のシリーズもので考えているのは・・・。

フローリング、和紙クロス、屋根の通気口工法・・・。

いろいろあるなぁ。

「やっぱりいいなぁ」珪藻土編3

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの小屋浦の家の珪藻土珪藻土を使ってみたきっかけは、体に負担のかからない自然素材で、という思いからなのですが、先日ネットで調べてみた所、「珪藻土の商品別特徴」というサイトがありました。

ちょっと見てみると、いつも使っている商品があり、その商品の特徴として「高い抗酸化作用を持つ湿気をたくさん放出するので、「アトピーが治った」「アレルギーが改善された」などの声多数」と書かれていました。

この時初めて調湿性能だけではない事を知ったのですが、妙に納得する自分がいました。

本当にこの事を知ったのは、つい最近の事です。

 

ここまで私の体験をベースに性能を書いてきましたが、見た目もいいです。

好みにもよりますが、そもそも私は光沢のない素材が好きです。

珪藻土は光沢がない変わりに落ち着いた空間を創り出してくれます。

最近では壁だけでなく、天井にも塗るケースが多いのですが、穏やかで柔らかい空間に全体が包まれている感じがして、とても心地よく感じます。

 

また鏝で塗る材料ですので、形はどうとでもなります。

これまでもお客さんと一緒に塗ったり、塗った後お子さんが指で線を描いてデザインにしたり。

どうとでもなる素材ですが、私が一番よく左官さんにお願いするのは「ほどよく手作業の後を残して」という事。

これも好みですが、蔵でよく見かける漆喰で塗られた奇麗さより、手作業間を少し残す方が、有機質的なゆったり感が出て、不思議な落ち着きが生まれる気がします。

「やっぱりいいなぁ」珪藻土編2

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの緑井の家の珪藻土風邪をひくと喘息が出て、アトピーは普段から。昼夜となくかきむしってしまうせいで、柔らかいはずの皮膚は固くなり常に寝不足状態。

思い出されるのは、喘息のせいで体力が奪われ立てなくなり、心配した私の両親が病院へ連れ込んだこと。

ここまでひどくなったのは、今思うとシックハウス症候群と周りの外気の環境だったのではないかと思っています。

周りの外気の環境というのは、車の排気ガスなどの事。

西広島バイパスと宮島街道に挟まれ、空気はあまりいいとは言い難い環境です。

 

シックハウスの出ない中古の家で、そこそこ便利で空気の奇麗な所!という目線で探し、結局安佐南区の中古の家を購入しました。

また近くにホームセンター西村ジョイがあった関係で、「自分でリフォームをしよう、しかも体に負担のかからない材料で!」という思いに駆られ、3か月程度かけて、ほとんど私とかみさんでリフォームをしました。

そうすると不思議なことにリフォームを終え、住み始めて数か月たつと、これまで苦しめられてきた喘息やアトピーの症状は、全くと言っていいほど無くなったのです。

1年が経った頃ふと気付くと、アトピーが治まっているし風邪をひかなくなったので喘息も出てない。

ほんと、ふと気づくと、という感じです。

 

五日市と比べて空気がキレイなのは間違いないのですが、他に要因はないのだろうか?と思った所、珪藻土の事を思いました。

ちなみにリフォームの時、リビングの壁に塗ったのが珪藻土。

当時ホームセンターでは売っていなくて、ネットで購入した事を覚えています。

 

ちなみに今では様々な珪藻土商品が出ていますが、全ての商品に一長一短あります。

その時私が購入したのは、今でもよく使用している商品で、珪藻土の含有量が多く調湿性能が高い商品ですが、弱点として割れやすい、という事があげられます。

ほんとうにこの仕事をやっていると、全てにおいて一長一短あるなぁ、と感じています。

「やっぱりいいなぁ」珪藻土編1

今日から始める「やっぱりいいなぁ」をテーマにした内容のブログは、おそらくシリーズものになると思います。

よって飛び飛びにはなると思いますが、シリーズものとして読んでいただけたらと思います。

 

大学を卒業し、建築設計事務所に入社して9年。

その後建築設計事務所を事務所を開設して18年。

合計27年建築に携わっているのですが、その間、建物の形や建築材料、デザインなど、流行ったものや廃れたものなどがありました。

私も気になる材料やデザインだけでなく、私が思いついた間取りプランやデザイン、詳細など、お客さんには失礼ですが、試してみたい事をその都度やってきました。

その中で現時点ではありますが、「やっぱりいいなぁ」と思うものを紹介していきたいと思います。

 

ちなみに現時点、と書いているのは、将来においては分からないからです。

例として、木材でも15年ぐらい前は明るくナチュラルな色が好きだったのが今は濃い茶色系が好きになっていたり、照明の色は暖色系が好きだったのが今では昼光色が好きになっていたり。

その好みの変化は年齢によるものだと感じていますので、10年後、その又10年後となると、恐らく好みも又変わっているのではないかと思っています。

 

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの高取南の家の珪藻土そんな感じで「やっぱりいいなぁ」と思うものとしてまず思い浮かべるのは壁に塗る珪藻土。

詳しく書くと物語になってしまうので簡単にしか書きませんが、物心ついた時から喘息とアトピーに苦しんでいた私。

小学校高学年から中学生までは落ち着いていましたが、高校生になると再発し、一番ひどい時は社会人になり結婚して五日市に住んでいるときでした。

 

つづく

八木の家完成間近

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの八木の家の外観今月末お引き渡しの「八木の家」。

だいぶ完成に近づいてきました。

外壁は濃紺の金属系サイディング。

シャープな外観と汚れにくい色、という事で、金属系サイディングを採用することとなりました。

 

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの八木の家のキッチンキッチン後ろの吊戸の扉などがまだ取り付けられてはいませんが、最近造り付けで家具を設計することが多くなった気がします。

 

 

 

 

 

 

 

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの八木の家の寝室こちらは特徴的な寝室。

1階の基本色は白、2階は茶色でまとめているのですが、茶色も落ち着きますねぇ。

落ち着いた空間で見晴らしもいいので、寝る前にブランデーあたりを揺らしてしまいそうです。

 

 

 

 

新たな出発

広島の建築設計事務所 かんくう建築デザインの新ブログ2002年に「かんくう建物設計」として建築設計事務所を立ち上げ、ホームページは2004年にホームページビルダーというソフトを使用して、私自身で作成しました。

その後ちょこちょこつつきながら現在まで至っていましたが、アップロードする度に改行してしまう問題、そしてなによりスマホに対応していない問題があり、この度使用ソフトも変えてリニューアルいたしました。

 

考え始めたのはおよそ5年前。

ワードプレスがいい、との事で事務所のスタッフが制作に乗り出しましたが、どんどん機能が発展していくソフトについていくことが出来ず、結局広島のHP制作会社「リコネクト」さんへ依頼し、完成に至りました。

 

「リコネクト」さんへお願いしたのは1年前。

1年もかかったのは、私自身の仕事が忙しく、なかなか腰を据えて考えることが出来なかったのと、様々な変更等をお願いしたのが原因です。

そんな中、担当者の方は嫌な顔もせず私たちの我がままに付き合い、また思いをしっかりとくみ取って頂き、長期にわたり粘り強く対応してくれました。

本当に、心よりお礼申し上げたいと思います。

 

ホームページのリニューアルと共に、2006年からの14年間、我ながらびっくりするほどコツコツ続けてきたアメバブログも、ホームページに組み込む形で新たな出発となりました。

初期の頃を見返してみると、ブログ=日記という形そのもので、仕事だけでなく、家の事、プライベートまで、何でも書いています。

特に懐かしいのが、子供たちの写真。

書き始めたころは我が子は小学生。

広島の建築設計事務所のかんくう建築デザインの長女広島の建築設計事務所のかんくう建築デザインの長男それが今や二人とも社会人。

釣りやキャンプ、旅行などのブログに投稿した写真を見ると、14年の月日を感じます。

 

新たなブログも公私混同甚だしいものになると思いますが、これからもよろしくお願いいたします。


得意分野は「家」

「かんくう建築デザイン」は、
基本的に建物といえる物は
何でも設計していますが、
あえて得意分野というと、「家」です。
そんな、「かんくう建築デザイン」の
家づくりについてお伝えします。

2011年以降、かんくう建築デザインでは「建築主・設計者・職人の三者が喜ぶ仕組み」で家を造っています。
その仕組みはお客さんにとって大きなメリットになるだけでなく、
大工さんをはじめとする職人さん達にとっても大きなメリットになる仕組みです。
以下、その内容を書いておりますので、読んでいただけると幸いです。

 

2012年5月 初書き 以降随時変更・修正

1.頭をぶん殴られた気がしたあの日

広島の建築設計事務所かんくう建築デザインのみんなが笑顔になる家づくり

2010年以前の話ですが、ある工務店で同じ大工さんに4棟ほど建ててもらったことがあります。
その大工さんはとても腕が良く、仕事も丁寧な当時50代前半の方でした。
私はその大工さんから、小屋組みの提案や強度的に向上する木の組み方など、様々な事を教わりました。

家を建てる場合、通常2~3人の大工さん達が組んで仕事をしていますが、その大工さん以外皆60代です。
2005年頃になりますが、その大工さんが働いている現場で、何気なくこんな質問をしてみました。

広島の建築設計事務所かんくう建築デザインのみんなが笑顔になる家づくり

「伝統的な木組みを知っていて、丸太から手刻みで加工する技術も持っているのに、何でそれを若い大工さんに伝えないんです?若い大工さんを入れたらいいのに。」と。
するとこんな答えが返ってきました。
「今の工務店は人を育てるだけの日当をくれん。だから雇えん」と。
その答えを聞いた時、頭をぶん殴られた気がしました。
それ以来、どうすれば若い職人を育てる事が出来るのか、考え始めました。

大工を目指す若者に一から技術を教えていくのには時間とお金がかかります。しかしその費用が丸々上乗せされて工事費が上がったのでは、お客さんにとって喜ばしいことではありません。
お客さんにも喜んでいただけ、大工さんをはじめとする職人さんも喜ぶ仕組み、言うなればみんなが喜び、みんなにメリットがある仕組みでないと長続きしないと思っていましたので、そのような仕組みの家造りはないものか、と考え始めたという訳です。

2.相反する3社見積り

広島の建築設計事務所かんくう建築デザインのみんなが笑顔になる家づくり

先に進む前にみんなが喜ぶ家造り、私達はこれを「みんなが笑顔になる家造り」と呼んでいますが、ふとしたきっかけでその仕組みを思いつくことが出来ました。
まずは2011年に2件のリフォームを行い、2022年2月現在まで新築を28件、リフォームを15件程、行っています。

この仕組みについて説明するのは簡単なのですが、内容をよりご理解いただくため、又この仕組みを思いついたきっかけ、そして現在の大工さんをはじめとする職人さん達の仕事環境について書きたいと思います。

広島の建築設計事務所かんくう建築デザインのみんなが笑顔になる家づくり

これまで私達の事務所では、家の最終図面が出来上がった段階で、「いい家をお安く」という考えのもと、基本的に3社程度ハウスメーカーや工務店(以下施工業者)に見積りを依頼していました。 そうすることで価格競争を促してきましたが、それはお客さんにとってコストダウンという面では良い事であっても、現場で働く職人さんの収入や技術の継承・育成という面で考えると、はなはだ疑問です。
それは何故か。安い価格で請け負った施工業者の埋め合わせは、職人さんの収入の圧迫という形で賄われている事が多いからです。

そうなるとお客さんにとっては喜ばしい事でも、職人さんにとっては喜ばしい事ではない、という相反する構図となってしまいます。
ましてや若い職人さんを育てることなど、とうてい無理というわけです。

前述した通り、お客さんも喜び、職人さんにも喜んでもらえる、関係者皆が喜びあえる家造りを目指していましたので、3社見積りを取る時でも、ずっと心に何か引っかかるものがありました。