2020年記事一覧
「やっぱりいいなぁ」無垢フローリング編5
ここまで木そのものの色のお話でしたが、もちろん色(オイル)で色を付けることがあります。
たとえば、杉。
杉は赤身と白身の色の差が激しい木ですので、新築時にはけっこう派手な雰囲気になりがちです。
そこで白いオイルで色を付けることで、色の差をぼかすことがあります。
ちなみにクリア塗装でも1年も経てば色の差はボケて、数年も経てば一緒になります。
茶色系のオイルで仕上げることはよくあります。
タモやナラ、クリなど、白くもなく茶色くもない木に茶色系のオイルを塗ることで、木目が浮き立ちます。
ウッド感をより出したいときに採用する事が多いですね。
そうそう、以前カリンの予定が、チークになった事があります。
カリンは中国から輸入するのですが、日本と中国とのトラブルで輸入が出来ず、急遽チークに変更しました。
しかしチークはカリンと比べて色が白いので、チークにオイルを塗ることで、カリンに近づけたことがありました。
こんな感じで、杉みたいに派手な木に優しさを与えたり、落ち着いた雰囲気にするために茶色系でまとめたり。
また和風に仕上げるために、ほとんどブラック色で仕上げたり。
結局、樹種や家の雰囲気、家族構成など様々なことを考慮して、決めることが多いです。
「やっぱりいいなぁ」無垢フローリング編4
茶色系の木は基本的に硬いものが多く、これまで採用してきた木といえば、「タガヤサン」「カリン」です。
硬い木ですので、傷が付きにくく、狂いが出にくいのはいいのですが、素足で歩くと冷たく感じます。
ちなみに木そのものが茶色の場合、クリアオイルで仕上げることが多いので、木の色そのものを見せることが多いです。
なおこの系統の木は固いので、フローリングとして床に張るとき釘がたちません。
ですので、釘を打つ場所にあらかじめドリルで穴をあける必要があったり、強力な釘打ちの機械で施工する必要があります。
また木は水に浮く、というイメージがありますが、これらの木は水より重いので、沈むんです。
白い木やナチュラル系の木、そして茶色系の木のお話をしてきましたが、デザイン的な観点から言うと、白い木やナチュラル系は明るく活動的な雰囲気になり、茶色系だと落ち着いた雰囲気になります。
結局好みの話ではありますが、お子さんがいる家や光が入りずらい家には白い木、ハードな仕事から帰ったら家でゆっくりしたいという雰囲気を持たれる方には茶色系のフローリングを提案しています。
久しぶりの散歩
日曜日の午前中は打ち合わせがありましたので外に出ると、セミの抜け殻が!
毎日毎日雨で、暑い日差しの夏を感じる事がなかったのですが、気が付くともう7月中旬。
夏はもうすぐそこ!って感じですね。
そして昼からは久しぶりに犬の散歩。
我が家では、庭の周りにフェンスを張って犬をつながずに自由にさせているので、あまりストレスは溜まっていないと思っていたのですが、いざ散歩に連れ出すと引っ張る引っ張る。
雨が続いていたせいで、そうとう退屈していたのでしょう。
私たちも構ってやってないし・・・。
そんな調子で川沿いを散歩する事1時間半。
くんくん匂って、おしっこするために立ち止まってばかりの犬との散歩ですので、超のんびりした散歩でしたが、帰りの坂道ではしっかりと汗をかき、暑い暑いいいながら帰ってきました。
雨ばかり続いているので、カァッっと照り付ける夏が待ち遠しいです。
思い出す6年前と2年前の災害
雨がずっと降り続いています。
九州を中心に、様々な所で災害が起きていて、TVを見ていると6年前の安佐南区を中心とした土砂災害と、2年前の西日本豪雨災害を思い出します。
6年前の土砂災害では数週間雨が降り続いた後、恐怖を覚えるほどの雨と雷が鳴りやまず、娘があまりの恐怖に私たちの所に来て、一緒に寝たのを思い出します。
またその次の日見た周辺のあまりの変わりよう。
少し離れた家は土砂で流され、電柱は倒れた上に電線がブランブランしていて、周囲にはプロパンガスの臭いが立ち込めていました。
そして2年前の西日本豪雨災害。
災害を受けた小屋浦は私の実家と弟の家、そして顔見知りの方が大勢います。
私の実家も弟の家も床上浸水になり、大勢の知り合いの家も壊されていました。
「やっぱりいいなぁ」無垢フローリング編3
熱交換型換気扇
「古市の家」の現場の様子です。
現場から「熱交換式換気扇の設置が終わりました。
ちょっと打ち合わせをお願いしたいのですが。」ということで行ってみると、洗面脱衣室の天井裏には巨大な熱交換器が!。
設計ではきちんと入るように、天井内の懐や木組みなどを検討・考慮していたので問題はないのですが、実際に見てみるとけっこう大きい。
しかもダクトが太くて、けっこうなボリュームを感じました。
この換気扇、室内の空気を排気するとき、冬場であれば熱を回収して室内に残し、夏場は冷気を室内に残す、エコ的な換気扇。
これまでロスナイという壁付けタイプのはやったことがありましたが、各部屋にダクトが延びるタコみたいなタイプは初めて。
エコ意識の高いお客さんからの要望で採用したのですが、効果はいかほどに。
それにしても、初めての事ですので、とても楽しみです。
こんなエコ意識の高い方ですから、断熱材も気密性を高めるために、スイッチやコンセントの周りも塞いでいきます。
95歳になるお母さんのためにも、家の中での温度差があまりないように、気を使いながら工事をしています。
「やっぱりいいなぁ」無垢フローリング編2
さて私が好きな無垢フローリングでも様々なものがあります。
それは当然ですよね。
単純に木をスライスしたものですので、とんでもなく種類はあると思います。
そんなたくさんの種類の中から選んで、提案するためには、ある程度目安が必要です。
その目安とは、
1.白っぽい木か茶色系か。
2.硬い木にするか柔らかい木にするか。
3.木目を浮き立たせるか、目立たせないようにするか。
など大きく分けて3つの視点で考えています。
まず 1.白っぽい木にするか、茶色系にするかですが、基本的にお客さんの好みに寄るところが大きいです。
大まかですが、若い方は白い木やナチュラル系を好まれるのに対して、茶色や濃い色の木を好まれる方は中年から年配の方が多いような気がします。
上の写真のフローリングは樺です。
「かんくう建築デザイン」がよく採用する白い木の代表格といえば樺(カバ)。
樺にも種類がけっこうあるようですが、採用しているのは白樺系です。
この木(フローリング)は白い上に木目が目立たず、時間と共に黄色味を帯びていくので穏やかな雰囲気が出ます。
またあまり窓が取りずらい環境であったり、プラン的に室内を自然の光で明るく出来なかったりと、室内が暗くなりがちな場合にも採用しています。
上の写真のフローリングはカバザクラです。
その他はカバザクラ。
少し赤味のある木材ですが、あまり木目もなく、上品な感じがします。
次回はナチュラル系のフローリングおお話です。