2020年記事一覧
6.デザインも大切だが性能も大切
設計をするにあたり最も心掛けているのは、デザインばかりを重視するのではなく、住宅の性能の方を重視しています。
数値で示しますと、一時消費エネルギー等級5(フラット35S-A)基準値をクリアさせています。 性能が良ければ、毎日を快適に、年を取っても安心して暮らすことが出来、結果的に長寿命の住宅を維持することに繋がるからです。
以上が私たちの基本姿勢です
この基本姿勢をお客様にお伝えすることによって、より緊張感を持ち、背筋を伸ばして設計できると思っています。
いざ家を建てよう!という時、一般的にはハウスメーカー、そして工務店を思いつくことでしょう。それに是非「かんくう建築デザイン」も選択肢に加えてみて下さい。
「かんくう建築デザイン」は図面の量が多く、プロとしての提案力、独立した監理(建物の監督、取締り)があります。(ちなみにハウスメーカーや工務店は監理は独立しておらず、自らが建て、自らが検査します。)
又、格安住宅を提供している会社、デザイン重視の設計事務所等、それぞれアピールしている部分があります。
では、「かんくう建築デザイン」はどこで自分達をアピールすればいいか悩んだ結果、上記の特徴の他に、健康的で確かな家をつくること。
結局、お客様の要望をより多く取り入れ、安全な家を適切な金額でかっこよく仕上げ、感動してもらうこと。
そのためにはお客様とより多く話し合うこと。
それしかないと思っています。
「一般的な設計事務所とは」というページに、
設計事務所に依頼するメリットと
注意点を詳しく
書いています。是非お読みください。
8.保証やアフターサービスは?
ここで心配になるのが、「規模的にも小さいその工務店は、保証やアフターサービス等は大丈夫なのか?」ということです。
その辺りはご安心ください。大工集団といっても工務店ですから、他の施工業者と同じように、家が完成するまで保証する一般的な保険の他に、10年保証や工事保険等も入っています。
又、アフターサービスですが、かんくう建築デザインのシステム通り、1年・2年・5年・10年という区切りで、定期点検させてもらっています。
では大工集団だったのが工務店になることで、何が変わるのでしょうか。それは大工の仕事内容が増えたこと。これまで通り手を動かして造るだけでなく、一般的な施工業者同様、現場監督としての仕事や工程管理・材料発注、アフターフォロー等の仕事が増えました。
ちなみにかんくう建築デザインの仕事内容は変わりません。
しかし、これまで元請である施工業者を通さずに、直にお客さんと話し合うことが出来るだけでなく、最後まで責任感を持って仕事をした上でお引渡しの時も立ち会える事は、職人さんにとって何よりも変え難い喜びです。
しかも自分達で工事金額を決定し、お客さんと直に工事請負契約を結ぶことが出来る為、日当いくらという計算ではなく、若い大工を育てる時間や費用も、自分達で計画的に作り出すことが出来るようになりました。
9.お客さんにとってのメリット
ではお客さんにとってのメリットは何になるのでしょう。
それは工事費を1~3割下げることが出来た事です。
2011年4月、大工集団の工務店に3DKのマンションの全面リフォームの見積りをお願いしたところ、出てきた金額に驚きました。
これまでの経験で、工事費は800万円程度だと思っていたのが、450万円。
その時に思いました。経費率が一般的な施工業者と違うのだと。
そして2011年10月には新築の見積りをお願いしました。以前同規模で同じような性能、仕上げの家を設計したことがありましたので、その時の工事費から坪単価を計算し、お客さんに概算として提出していた工事費は2,300万円。しかし大工集団の工務店から出てきた見積り金額は1,850万円。
いったい何故大工集団の工務店に依頼すると、こんなにも安くなるのでしょうか。
これまでの一般的な家造りでは、大工さんやクロス業者、左官職人など、それぞれが工務店に提出した見積りの合計金額に2~4割の工務店側の経費をのせてお客さんに提出をしています。
その2~4割の中には、社員の給料や会社経費、広告宣伝費等が含まれています。
ちなみに、各職人さん達が提出した工事金額の合計を2,000万とします。施工業者の経費が2割の場合
2,000万×1.2 = 2,400万
施工業者の経費が4割の場合
2,000万×1.4 = 2,800万 この400万と800万が施工業者の経費となります。
10.無理せずコストダウン
では、新たに提案している家造りの仕組みはどうなるでしょう。
大工集団といっても工務店ですから、家の品質を保証するための費用や工事の保険費用、もちろん事務的な経費もかかります。この辺りは一般的な施工業者と何ら変わりないのですが、違うのは全員が大工であるため、原価である
2,000万の中に、自分達の給料も入っているということです。
そうなると、2,000万以外に必要となるのは、品質保証や保険費用、事務的経費、そして次に繋がる若い大工を育てる費用などです。その金額は合計すると、ざっと0.7割(7%)。
大工集団の工務店経費は0.7割なので
2,000万×1.07=2,140万となります。
いかがでしょうか?一般的な施工業者にお願いするよりも260万~660万工事費を落とすことができます。
ここで一番お伝えしたいことは、無理をせず合理的にコストダウンが出来ていること。
そして何よりも、誰も悲しませることなくコストダウンが可能になったことです。
それだけではありません。
職人さんに仕事のやりがいや、やる気をおこさせ、若い職人さんも育てる事が出来るようになりました。これはお客さんにとっても大きなメリットなのではないでしょうか。
11.最後に
何故この仕組みが上手くいくようになったのでしょうか。
それは今の若手大工さんの勉強はもちろんの事、コンピューターを使い、CADも使えるようになったことが大きな要因です。
設計図から、より詳細な図面である施工図をおこしたり、エクセル等を使ってお見積りを作成したり、メールを使って材料を発注したり…。
これまで職人さんが苦手意識を持っていた部分を自分達で克服し、現場監督としての役割も出来るようになった結果、この仕組みが上手くいくようになりました。
もちろん、ここまでくるのには相当な努力が必要でした。しかし、その努力した分、より責任感を持って純粋な気持ちで仕事が出来るようになっています。
以上が「みんなが笑顔になる家造り」の全貌です。この仕組みを考え作りあげるまでには時間がかかりましたが、ようやくここへたどり着くことが出来ました。私達がずっと抱いてきた、無理をせず、誰も苦しめることもなく、お客さんも含めてみんなが喜ぶ家造り。
このような家造りはいかがでしょうか。
ちなみに大工さんは言っています。
「下請けの時より収入が増えた」 そして
「以前よりやる気が湧いた」と。
この長文を最後まで読んでいただき、大変ありがとうございます。
一般的な設計事務所とは?というページにも詳しく載せています。ぜひご覧ください。